私は結婚式すら挙げる予定のなかった私たちは、披露宴もシンプルに簡単なものにするはずでした。プログラムは最低限、お色直しなんて必要ない。そう考えていたんです。ところが普段あまり私に何かを要求することのない母が、どうしても結婚式で私の和装を見たいと言い出しましたことからお色直しを追加。華やかな赤の色打掛を着ることになりました。

そこで困ったのがBGMです。和風の音楽といえば……「春の海」？というような知識しか私たちにはなかったんです。だけどプランナーさんの「和風にこだわらなくても良いと思いますよ」という言葉から、自由に曲を選ぶことになりました。そして決まったのが、他の人の結婚式でもよく耳にしていた木村カエラの「Butterfly」だったんです。

「Butterfly」の歌詞は晴れの日を迎えた女性に自信をつけてくれるものです。私は決して容姿に優れた人間ではありませんが、繰り返し聴いたこの曲のおかげで、今日の私は誰よりきれいなんだと自信をもって歩くことができました。使った場面は、お色直し後の入場です。ゲストに聴いてもらうというよりは私がこの曲に励ましてもらうつもりで流しましたが、大正解だったと考えています。