私が使った曲のひとつに、ETERNITY∞のWonderful world という曲があります。 私はこの曲を結婚式の中で、ラストバイトのシーンのＢＧＭとして選びました。私と夫のふたりが、それぞれの母親からケーキを食べさせてもらうというシーンです。これは絶対にやりたかったイベントで、「今までおいしいごはんをありがとう」という思いを込めて、母親にどうしてもみんなの前に出てきてほしかったのです。

もともと私は今はやりのアイドルたちの曲や、いかにも結婚式の定番で選ばれるようなＪ－ＰＯＰの曲があまり好きではありませんでした。音楽自体はとても好きで、昔からピアノやギターを弾くのが趣味でした。しかし今テレビをにぎわせているような曲よりも、どちらかといえば、クラシックが好きなタイプでした。
ですので、友人たちの結婚式に参列しても、流れる音楽にはいつも心の中で厳しい意見を持っていて、「またＪ－ＰＯＰ流してる…。センスないな…。」などと勝手に思っていました。もちろん伝えはしませんが。

自分の結婚が決まって挙式をするとき、音楽にはこだわりたいと思っていました。ありきたりではなく、かといって奇をてらいすぎるのも嫌だし、ＢＧＭとしてあまり邪魔にならずにひっそり流れるような曲がいいなと思いました。これと言って決めていたわけではなかったのですが、自分や夫の数え切れないほどのＣＤをいろいろ聞いていて、いいなと思ったのがこの「wonderful world」でした。

もともとカノンのリズムが好きでした。この曲は一部にカノンが流れる、カノンをポップにアレンジしたような箇所があり、そこが好きなところでした。クラシックが好きになった理由の一つとして、私が幼いころに母がよくカセットでクラシックを聴いていたことがあると思います。母への感謝の気持ちを表現したシーンには絶対に合うと思って選びました。 それに、この曲の意味、素晴らしい世界という言葉は、まさに母が命がけで私をこの世界に誕生させてくれたからという気持ちも込められました。

母はそのようなシーンがあることも知らず、自分が参列者の前に出ることになるとは思っていなかったようです。そのときはＢＧＭなど気にする余裕もなかったと後で言っていま した。しかし、おさめられたビデオを後から見直しているときに、「この曲いいでしょ。」というと「ほんとだね。」と言ってくれていました。

このETERNITY∞のアルバムはすべてクラシックをポップにアレンジした曲がおさめられています。主張しすぎず、かといって普通のクラシックを流すよりは少し存在感があり、いろいろなシーンに使えそうなところがおすすめです。聴く人を選ばず、割と老若男女気に入ってくれるかなと思います。