歌 :
澤田空海理
おかえりを言おう。
出会い方を掘り起こすには
それなりの月日が経った。
思えば、おぼこい背伸びだった。
自炊をしないあなたの
料理はやけに凝っていて笑いました。
性格がよく表れています。
潔癖な味付けに愛が隠れていないよ。
お寝みで一日が終わること。
どんなに素敵なことでしょう。
夜通し話すのも、寝ているのと変わらない相槌も、
いつか特別じゃなくなるのが
それはそれで、楽しみです。
嘘を吐くのが下手。気遣いの豊富さ。
そういえば、上手な嘘もあった。
サプライズからのプロポーズ。
じゃあ、私からもひとつ。
週末は、あえて言葉を借りるなら
「良いデート」を組み立てましょう。
桜に逸っているあなたをもう一度見たっていいんだよ。
今度こそ浴衣を着て同じ家に帰ろう。
愛し損ねた、あなた以外の誰かに機嫌を損ねた、
そんな過去も聞いてくれた。
聞きそびれたことを丁寧に踏みながら
歩幅を微調節する私たちです。
もはや原型のないあだ名。
皺の増えていく掌、緩くなった指輪。
そして、どれもこれも守りたいのは
我侭じゃなくて、恣 ( ほしいまま ) でして、
羨ましいのは、あなたのその素直さ。
変わらないでいてほしいのは、そのわかりやすさ。
心から笑うあなたに、私がよく似合うよ。
私が居ることを見ていてね。
おやすみ。