私は、母への手紙を読む場面でkiroroの「未来へ」を使わせていただきました。
この曲にはとても思い入れがあるので、結婚が決まるずっと前からこの曲を使おうと決めていました。
というのも、私が小学生のころ、どうしても友達に自分の気持ちが言えず、クラスで仲のいい子がいじめられていたにも関わらず 見て見ぬふりをしてしまう私は、毎日毎日母に叱られていました。
当時幼かった私は自分が怒られる意味がいまいち分かっておらず、私自身も苦しい時期で母には反抗的な態度でいつもぶつかっていたのですが、 学校の音楽の授業でこの曲を歌った時に、歌詞の「あの時はまだ幼くて意味など知らない　そんな私の手を握り一緒に歩んできた」という部分を聞いたとき 今の私と母の関係ととても重なり、これは母の大きな愛情なんだとやっとわかりました。
そしたらたまらなくなってしまってトイレで隠れてひとり泣いてしまったことがありました。
あの日のことは忘れられません。いろいろな節目でこの曲を聴くたびに、心がジーンとなります。

それから社会人になり、実家を出たのですが、 離れるとこの曲がまた違った母の想いがあった気がして、家に帰りたい、母に会いたいと涙が止まりませんでした。
とても厳しかった母に、学生時代は怒られてばかりいましたが、すべて私が社会に出ても苦労をしないように、いつも体当たりの子育てだったのだと思います。
私は子供も産みましたが、母のような全力の子育てをできる気がしません。それくらい母は偉大でした。
母の大きすぎる愛情をこの曲を聴くとまた感じられます。

結婚式で使おうと決め手はいましたが、 手紙のシーンで流すと絶対に泣いてしまうので最後の最後まで迷いました。
でも、母を想うと出てくる曲はこの曲以外考えられなかったです。
おかげで、当日は手紙を読む前から感極まってしまいましたが、母への感謝の気持ちを伝えるのにやっぱり欠かせなかったなと思います。
シングルマザーで一生懸命育ててくれた母の元を旅立つ日に 思い出のこの曲に送り出してもらえてよかったです。忘れられない結婚式になりました。

私も母になり、今あらためてこの曲を聴くと今度は息子への想いが溢れてくる気がします。
母になってやっと母の偉大さに気付き、子どもを想う気持ちがこんなに深く、無条件で溢れる愛情がどんなものなのか気付けて、 やはり、涙なしでこの曲は聴けません。
私にとってとても大切な受け継いでいきたい１曲です。