穏やかなラルゴは歓談中のBGMに最適
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私たち夫婦の結婚式はおよそ10年前にさかのぼります。私と主人の出会いはヨーロッパの劇場で私の旅行中の出会いとなりました。主人は当時ヨーロッパ在住で、交際に発展しだしてから結婚までは一年ほどでしたが、その間は遠距離恋愛で三回ほど私がヨーロッパに行きました。その三回の旅行の中で、二日に一度は色んな歌劇場に一緒に行っていました。二人とも完全にオタクだったと思います。結婚が決まってからは、私たちの披露宴ではお互いの好きな曲で、思い出の曲を友人たちに演奏してもらおう、ということで話がまとまり、友人たちにも快諾してもらえました。
ヘンデル作曲「ラルゴ」
出典:We Heart It
当日の披露宴では余興タイムの演奏はもちろん、入退場やケーキカット、手紙朗読など要所要所の全てのシーンが趣向を凝らしたものとなりましたが、一見だれも注目していなさそうな前半の歓談中のBGMでさえも選曲に関してもこだわり抜きました。歓談中は全て弦楽器の生演奏としましたが、その中の一曲に選んだのがチェロ独奏のヘンデル作曲「ラルゴ」です。
おすすめしたい一曲
出典:We Heart It
このラルゴは「オンブラ・マイ・フ」という名前でも知られ、ヘンデルの「セルセ」というオペラの中に登場する「ペルシャ王セルセ」のアリアとして第一幕で歌われます。このセルセというオペラは今日ではほとんど上演される機会のない曲ですが、私と主人がヨーロッパに滞在していたときにたまたま上演している劇場があり、とても素晴らしかったので、この曲を披露宴のどこかで採用したいな、と思っていました。もともとアリアなので歌曲なのですが、今日ではチェロ独奏としても編曲されて、単独でコンサートでも演奏されることも多いため、歓談中のBGMとして主人の親戚のチェリストにお願いをしました。このオペラはマイナーですが、この曲自体はとても有名で、よくテレビCMなどでも採用されており、誰でも耳なじみのあるところも採用のポイントです。私たちの選曲では、いくら好きな曲でも、一般受けしないもの、あまりにもマニアックなものは避ける、ということを念頭に置いておきました。参列者の皆さんには最後まで飽きずに、楽しく披露宴に参加してもらいたかったからです。そのため、歓談中の弦楽器のBGMも全て有名どころで固めました。またこの親戚のチェリストがなかなか素晴らしい腕前で参列者の評判が良く、何曲もお願いしたにも関わらず快く引き受けてくれたのでとても助かりました。
このラルゴは曲調が穏やかで、美しさを湛えながらも動きが少ないためお喋り中のBGMには最適だと思います。録音も多く出されていますのでこれから結婚を考えているカップルにもおすすめしたい一曲です。