私達夫婦は互いに音楽は幅広く聴くタイプ。特定のアーティストに対して強いこだわりはないと思っていました。披露宴に対してのイメージも『穏やかで落ち着ける、でも明るい雰囲気』という点で一致しており、時間がかかったとしても大きな問題はなく決める事ができるだろうと考えていました。ですが、思わぬところで主人のこだわりスイッチが入りました。

色々な曲を聴きながらシーンに合わせて流す曲をチョイスする相談は楽しい時間でした。時には披露宴で流す曲の候補とは無関係な曲を流して気分転換をしたりもしていました。その時に流れてきたB'zの曲を聞いて、主人ががばっと顔をあげて「B'z使おう！」と一言。穏やかな雰囲気も良いけど、ずっと同じ調子だとぼんやりしちゃう。ぐっと盛り上げるような曲を入れてもいいじゃないか！と、何かに目覚めたように熱く語りだしました。
単調な披露宴になるよりはメリハリがあった方が良いかなと、私も納得。B'zはドライブでかける定番の曲だったし、私もライブに行ったこともあるくらい好きなアーティストの１組だったので、異論もありませんでした。でもこれまで選んできた曲は、ロックよりもポップスが多く、ギターならエレキよりもアコースティックの音が目立つ曲ばかり。さすがに雰囲気が全然違う！どのシーンに入れても、連続で聴くとこの曲だけ浮いてしまっていました。単曲で使えそうな新郎新婦の各々の中座には、また別のこだわりがあって差し替えしたくないし、どうしたら良いか悩んでしまいました。

曲選びが難航する中迎えた何度目かの打ち合わせで、担当のプランナーさんにも相談したところ、演出について提案していただきました。当初考えていた演出の一部に少し変更を入れて、曲に見合うぐらいに盛り上げるポイントにするのはどうか。具体的にはケーキカットのケーキを大きなお肉に変えてしまう、とのことでした。ウェディングケーキの入場自体はよく行われる演出だと思いますが、そこで登場するのが子羊の丸焼きだったら、ゲストもびっくりするのでは？曲の印象もこのタイミングだけ思いっきり変えてしまえば、逆に演出が盛り上がって良いのでは？と。
私達は北海道で披露宴をあげるのですが、ゲストは関東をはじめ全国からいらっしゃる方が多かったため『北海道らしさを出したい』という希望も持っていました。ラム肉であれば北海道らしさにも合うし、ピンポイントで盛り上げる演出になるし、と、良いことづくめのご提案。二つ返事で演出を変更することとなりました。

プランナーさんの提案に合わせ、演出内容と曲選択の相談をさらに重ねて、使いたかったB'zの曲はイチブトゼンブを選びました。その演出の時だけは他の曲もロック系をチョイスし、ガラリと雰囲気を変えたシーンを作ることとなりました。
披露宴当日は、思惑通りゲストの驚きの表情を見る事ができました。演出と曲が噛みあうと、こんなに会場が一体となるとは…私達自身も驚き、楽しいワンシーンとなりました。録画をしていなかったことが残念でなりません。