私が選んだ曲は、西村由紀江の「オルゴールを聴きながら」です。この曲は、とても美しく、どこか懐かしいようでさみしげなピアノ曲です。

この曲と出会ったのは、私が社会人一年目の時でした。ピアノ講師をやっていた私は、慣れない土地と仕事に疲れ切っていました。そんな時、生徒さんの一人がこの西村さんの曲を持ってきて、指導することになりました。それまで、クラシック一本で演奏してきた私にとって、とても新鮮で心が癒される曲でした。
そこで西村さんの曲や楽譜を購入し聞くようになったのです。語りかけるような優しいメロディーは、どこか懐かしくて、自分の子ども時代の母親のピアノを思い出させるのでした。

そして、自分が結婚式を挙げることに決まって、両親への手紙の時に、この曲を使いたい！と思い選びました。

結婚式の曲を選ぶ時、また、両親への手紙を書いている時から、この曲のメロディーは、私の心を癒し、そして温かく包んでくれました。私が挙げた結婚式場では、ピアニストの方が生演奏してくれるサービスでしたので、当日は生演奏でした。私が手紙を読み始めるのに合わせて、テンポや強弱も合わせて優しくゆったりと、まるで語りかけるように弾いて下さったので、音楽の効果もあいまって感情がこもり、涙が自然とあふれ出ました。会場も感動して泣いて下さる方がたくさんいらっしゃり、式後にはみなさんから、「あの手紙とあの音楽は反則だよ～～」なんて言われました。

今でも、父はあの曲と手紙のことを話すと目頭を熱くします。母曰く、結婚式のビデオを見て一人で泣いているそうです。

「オルゴールを聴きながら」の他にも「やさしさ」という曲もとても素敵です。

「やさしさ」もその名の通り優しい調べの曲です。「オルゴールを聴きながら」に比べて、明るくて春の日差しを浴びながら木漏れ日で聞きたいような曲です。結婚式のシーンでは、両親への手紙はもちろんのこと、二人のプロフィールやなれそめの紹介のところでも使えます。曲自体がやさしくて明るいため、シーンをとわず使いやすいでしょう。また、ピアノ曲のためスピーチや司会の言葉をさえぎらず、聞いている人も心地よいと思います。
同じ理由で、食事中のＢＧＭにもぴったりなため、生演奏が可能な結婚式場の方は、特に一曲選曲してみてはいかがでしょうか。きっと優しさの溢れる式になること間違いなしです。