結婚式だからこそ感じられた「生きている意味」
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両親への花束の贈呈は、花嫁からの手紙の後に行いました。私から両親への感謝は伝えきった後。曲も感謝の気持ちを前面に押し出したものを流した後ということで、何を使うべきなのかとっても迷ったシーンです。
披露宴としてはもう終盤に入り、新郎新婦から両親へ何かを伝えるのはおそらく最後という場面。変に盛り上げるような曲も変だし、また「ありがとう」の連呼ではなんとなく白けてしまう。すぐに決めることができた花嫁からの手紙の曲とは違い、夫と共に最後まで悩み続けました。
そんなとき、ふと話題にのぼったのが、私たちが中学生の頃にテレビ放映されていたアニメ「フルーツバスケット」だったんです。
優しい声で語りかけるような曲調がイメージにぴったり!
出典:We Heart It
私と夫は同年代ですが、地元は非常に離れています。でも二人とも漫画やアニメが大好きという共通点があって、幼い頃に見ていたアニメについてもよく思い出話をします。
アニメの「フルーツバスケット」は夫も私も大好きなアニメのひとつだったんです。そしてその主題歌「For フルーツバスケット」は、まさに披露宴の終盤を飾るのにぴったりな曲に思えました。
まずはその曲調。ささやくような、子どもに語りかけるような優しい声がとっても素敵です。そんな記憶なんてまったくないのに、幼いころ眠る前に母と内緒話をしているシーンが頭に浮かぶような気がします。家族との思い出がよみがえるような曲なんですよね。
言葉では伝えきれない想いを両親に
出典:We Heart It
たくさんの辛い今日を乗り越えて、結婚式という日に私がどれだけ幸せな想いを抱いているか。それを両親に伝えられる曲が「For フルーツバスケット」だと思いました。
そして結婚式当日、この曲はむしろ私自身の心に深く染みたんです。
"ここに生きてる意味がわかるよ 生まれおちた歓びを知る”
という歌詞は、元からとても印象的だなと思ってはいましたが、結婚式当日ほどそれを実感した日はありません。
私は人前に出ることは好きではなく、結婚式にも前向きではありませんでした。私なんかのためにいろんな人に集まってもらうことを申し訳なく思っていたんです。だけど、当日はそんな卑屈な思いがどこかに飛んで行ってしまうくらい本当に楽しくて幸せで、私は夫に出会ってこうやって今まで支えてきてくれた人に祝福してもらうために生まれてきたんだーって心から感じることができました。披露宴の最後にこの曲を聴くことで改めてそれを実感でき本当に良かったなと今でも思っています。
ナミ
2013年3月にリーセントカルチャーホテル(岡山県)で 挙式