大学の1学年後輩新郎の結婚式での余興でした。運動系サークルのメンバーが大勢集まり、笑いに溢れた結婚式が続いている中、余興の時間となりました。新郎の同期5人での披露で、程よくお酒も飲んでいたこともあり、そこも運動部らしく登場から会場を笑いの渦に巻き込んでいました。選択した曲はスマップの「世界に一つだけの花」。基本的には後輩の新郎同学年はおちゃらけメンバーの集まりでしたが、余興が始まるとしっかりと振り付けまで完璧にこなし、練習の努力が見る側にも伝わってきました。余興前は笑いに包まれていた会場も、すでにその余興に魅入っていました。

そんな中、終盤のサビ部分、メンバーの一人の声が少しずつ泣き声混じりに・・・それに誘われるようにその他メンバーの目からも涙が・・・。大学時代という4年間、勉強にスポーツに遊びに苦楽をともにした仲間たち、素直な気持ちが声にも心にも表れたのだと感じました。私も1学年先輩としてずっと彼らを見てきていましたので、彼らとの当時の思い出が頭を巡り、自然と涙が溢れ止まりませんでした。

会場も、勿論新郎も涙に包まれ、最後まで歌い切った後は、会場全体から盛大な拍手が送られました。決して泣かせるつもりでも、泣くつもりでもなかったはずの余興だと思いますが、彼らの新郎を想う気持ちが会場全体を飲み込み、結果すばらしい余興になったのだと思います。やはり人の心を動かすのは、人の素直な感情なのだと改めて彼らに教わりました。