小さい頃からディズニーの"美女と野獣"が大好きでした。何度も何度も見返して、小学生になるころには台詞の一字一句を記憶していたほどです。

その中でも主人公・ベルと野獣がドレスアップして大広間で踊るシーン。ポット夫人がしっとりと『Beauty and the Beast』を歌い上げるシーンは特別好きで、 「いつか自分も好きな人とこの曲で踊るんだ！」 といった妄想を繰り広げたものです。

月日が経ち、20代も後半に差し掛かり彼との結婚を意識するようになり、そんな妄想もすっかり忘れた頃、"美女と野獣"が実写化。映画が公開されました。

「アニメーションのほうが好きでよく見てたな」ぽつりと彼の前でこぼしたところ、全くディズニーに興味のない彼から「そんなに面白いの？じゃあ見てみよう」と言われて一緒に映画館で観ることとなりました。

実写化された映画は、違うところはあれど好きだったシーンはアニメーションのまま。映画を見ながら懐かしさに涙がポロポロ出てきました。そういえば『Beauty and the Beast』で好きな人と踊りたいなんて思ったな、と幼い頃の自分に想いを馳せました。

映画を見終わった後、涙ぐんだ私を見た彼から 「とても素敵な映画だった、君が好きな気持ちがわかる。アニメーションのほうも見てみたいな、一緒にみよう」と言ってくれました。その後、アニメーションも一緒に観ると 「"Beauty and the Beast"の曲をポット夫人が歌うところ好きだな、実写と少し違うけど」 と好きなシーンが一緒だったことがわかりました。その後、ことあるごとに美女と野獣に関するものがあると「美女と野獣いいよね、結婚式で美女と野獣に出てくる曲使いたいね」といった会話をよくするようになりました。

映画をみた翌年、一緒に映画を観に行った彼と結婚し、結婚式を挙げることになりました。プランナーさんとの打ち合わせのたびに「美女と野獣が好きで、『Beauty and the Beast』の曲を絶対に使いたいんです」と彼が言い続けてくれたおかげで披露宴での退場の際のBGMとして使用することになりました。

小さな頃はダンスがしたい！でしたが、大人になった今、結婚式という素敵な日に好きな人と手を取り合って歩いてるときにこの曲が流れるだけで幸せだったな、と未だに思い返しては思います。