小さい頃から何百回も観て、セリフまで覚えてしまっている映画「魔女の宅急便」。アニメの内容はもちろん、挿入歌も大好きで、大学生の時に所属していたオーケストラでもたびたび演奏していました。その頃は特に意識していなかったのですが、この時一緒に演奏していたのが今の旦那様です。私はホルン、夫はトランペットでした。

普段あまり話すことはなかったのですが、この『ルージュの伝言』をきっかけにいろいろ話をするようになりました。気が付けばお互いの家で“ジブリ会”なるものを開催し、お酒を飲みながら映画鑑賞していました。もともとお互いジブリが大好きで、話が盛り上がり、私たちは付き合うことになりました。演奏当日、私は大好きな「キキ」のコスプレをし、旦那はなぜか「フクオさん」(笑)(パン屋のオソノさんの旦那さんです。)

周りからもとても評判が良かったので、それからいろんなジブリの曲を練習しては披露するようになりました。学生時代は一緒にいる時間が多く、たとえケンカをしてもすぐに仲直りしていたのですが、お互い社会人になり時間が合わなくなることが多くなってきました。ケンカしたまま数日経つこともありました。

社会人になり、しばらく経った頃、ケンカをきっかけにそろそろ潮時かな…という時期がありました。 その時、毎年恒例の金曜ロードショー「夏のジブリ祭」が放送されました。何回も観ているはずなのに流れているとついつい観てしまうのがジブリマジック！(笑)

観ているといろいろなことを思い出し、彼に「見てる？」とLINEを入れてみました。彼からはすぐに「見てるよ！」と返信。そこから元通りのやりとりができるようになって、無事に仲直りしました。付き合う時もケンカした時も、こんな風にいつもジブリ映画が私たちの仲を取り持ってくれていました。

出会って10年目でようやく結婚が決まり、結婚式のBGMを考えるときもふたり揃って「絶対使いたいね！」となったのが初めて一緒に演奏した『ルージュの伝言』でした。ただどこのシーンで使うかが難しい…

実はこの曲、歌詞が少し怖いのです。「浮気した旦那さんのお母さんに会いに行く」という、なかなか度胸のある女性の歌です。そこで私が選んだのは、“お色直しの退場”時。私はこの曲で夫のお母さんと一緒に退場しました。退場時に自分のお母さんと一緒にというのはよくあると思うのですが、私はこの曲に合わせて夫のお母さんを選びました。

「これからも宜しくお願いします」という気持ちを込めて。とても良い思い出です。