ー2021年から2023年にかけて、毎年アルバムをリリースされていますね。近況について教えてください。
佐藤嘉風:
コロナ禍の影響で、ライブが少なかったので創作活動をメインにしてコンスタントに配信やCDの制作をしました。最近ではライブも復活したのでこの1年はたくさんのライブを精力的に行っています。
ー来年4月には初の韓国でのライブを行うそうですね。
佐藤嘉風:
韓国に仲良くさせてもらっている音楽仲間がいるので一緒にライブイベントをやる予定です。韓国でも日本の楽曲を愛してくれている方が多いので、今後の夢は韓国を含めてアジアのいろんな国で活動したいと思ってます。その夢の第一歩として韓国ライブが実現しました。
ー続いてアルバムについて教えてください。佐藤さんの楽曲からはジャズやカントリーといった要素が感じられますね。ルーツはどこにあるのでしょうか?
佐藤嘉風:
祖母が小学校の音楽教師で、よく唱歌を子守唄代わりに歌ってくれていました。その時の思い出が、自分の中で楽しい時間とか、温かい場所のように思えてて、そこが僕のルーツになっていますね。
ー唱歌がルーツとなっているのですね。『Acoustic Denim』ではこれまでの作品とは違い、唱歌のテイストが感じられますね。
佐藤嘉風:
従来の制作とは違い、時間をかけて全楽器を一人で収録しながら試行錯誤して作ることで、自分自身のルーツをより一層掘り下げて制作できました。大好きな音楽はカントリーですが、自分の中で楽しい時間とか、温かい場所の思い出は、岐阜の山の中の祖母が歌ってくれた唱歌なので大事にしたいなと思って制作しています。だから『Acoustic Denim』は唱歌のようなシンプルなメロディーに仕上がっています。
ー新しい挑戦をしている佐藤さんの今後の活動についてテーマはありますか?
佐藤嘉風:
日本ならではの音楽を噛み砕きながら、新しい形にできないかなという想いがあります。例えば、「赤とんぼ」という曲を韓国の作曲家や他の海外の音楽仲間の前で歌ってみると、そのメロディーに彼らが驚くんです。こんなメロディーは日本にしかないと感じるみたいで。
他にも、お祭りのお囃子を聞くと普段自分がやっている音楽とは全く違うのに不思議な安らぎを感じることがあります。やっぱり音楽って素晴らしいなと思います。自分の音楽もそういった情緒を感じるような曲にしたいですね。コロナ禍でなくしかけていた日本人ならではの良さを見つけ出し、それを新しい形で自分なりの音楽にすることが今後のテーマです。
ー続いて『ウェディング・ベルが聴こえる』についてですが新郎視点から新婦の両親について歌った歌詞が新鮮でした。
佐藤嘉風:
最初はシンプルなラブソングを作るつもりでした。彼氏と彼女の物語としての。しかし、制作の過程で何度も歌詞を書き直していくうちに、彼女のお母さんが自然と登場して「昔から変わらないのよね。」と言うシーンが浮かびました。彼女を育てたご両親が僕たちが目指す家族なんだと感じて、ただのラブソングを越えて、ウェディング・ベルを鳴らしてしまおうと考えました笑。
ー結婚式では新郎新婦おふたりの思い出だけでなく、両親との思い出を振り返れるようなプロフィールムービーのシーンで使うとよりおふたりの人柄が伝えられそうですね。
佐藤嘉風:
是非、プロフィールムービーのシーンで使って欲しいです。親元を離れて暮らしている方も多いと思います。両親との会話が減ってお互い知らないことも増えていく。いざ結婚するってなった時に、一緒に過ごしていない時間を埋めるような、プロフィールムービーのBGMとして使っていただけると新しい思い出のひとつになるのではないかと思います。